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  • 2015.11.19 Thursday
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Qマルチプライヤ

先ほどシャワーを浴びていて突然思いついた。それは、再生検波にQマルチプライヤを流用したらどうなるか、ということである。

Qマルチプライヤ(以下Qマルチ)というのは、大昔、受信機の選択度改善に用いられた付加装置のことで、具体的には中間周波増幅段か混合回路の出力側に接続し、そこにある同調回路のQを見かけ上補うというものだ。回路そのものは発振回路を発振直前で使うのだが、元々の同調回路を改造できないのでコルピッツ型の変形が用いられた... ような気がする。
さて、その性能であるが、ピークは出せるのだがスカート特性が良くない、ドリフトする、動作自体がクリティカル、等等で、メカフィルが使われだすとあっという間に姿を消していった。

僕は高校生の頃、素子にLCではなく水晶を使ったクリスタルQマルチというものを作って実験したことがある。僕のオリジナルではなく単行本を見ながら作った覚えがある。水晶を使うことにより動作不安定を一掃しようという、中々筋の通ったアイデアだと思うが、同時にそこまでQマルチに拘ってどうするという気も、今となってはする。元々の受信機(これも高1中2の自作シングルスーパーだったと思う)に、学校に転がっていた八重洲のFL-400だったかから取り外したメカフィルを入れていたのでスカート特性はフィルタ依存となった。これによって40mBのCWは素晴らしく分離できるようになったのだが、僕の耳では肝心のデコードが追いつかず(特に和文はまったく駄目)、受信機そのものにも問題があって程なく分解されたように覚えている。問題というのは、これも今必死になって記憶を辿って思い当たったのだが、多分中間周波増幅回路の利得制御のはずだ。ハイフレ(といっても9MHzから12MHz程度だが)向けに設計された3段回路を455kHzにそのまま流用し、利得過剰で付属のAGC回路では制御しきれなかったのだ。今になってよく考えると無茶苦茶だけれど、デバイスがMOSFETだったからそんな芸当もできたのである。

さて話は再生検波へのQマルチへの応用に戻る。ネットを漁ってみると、やはり、やっている人がいましたね。記事自体結構古いから、ネタとしては誰もが思いつくんだろう。この人の回路ではQマルチにクラップ回路を奢っている。デバイスは3極管でありプレート電圧をいじって動作点を変えるようだ。

クラップ回路は変形コルピッツの代表みたいなものでどんな参考書にも載っている(載っていた)。しかし、いい加減な本だと『同調回路との結合が疎であるから安定に発振する』等と解説されていたりする。本当に疎だったら発振しない。コルピッツ型の一般的な傾向として、LとCの割合でCが大きくなりやすく(ハイCローL等という)インピーダンスの点で扱いやすいだけのことである。部品点数の増えるクラップ回路をうまく動作させるのは実は結構難しい。経験上、部品の温度補償さえ考慮すればハートレー回路が一番容易だった。(変形や派生形も含む)ハートレー回路はやたらとCが増えないから、VFOに応用した場合VCの変化比を最大限利用できるという利点もある。この辺の話はみんな僕の経験からきているもので論理的な裏づけはないからそのつもりで。

真空管回路においては再生検波は定番で性能も安定していたから、このようなQマルチの転用などという部品点数の嵩む不経済な方式は余り積極的に実験されなかったのかもしれない。またトランジスタ回路では再生検波自体が実用的でなくなってしまったので尚のことだったろう。

FETで構成する場合、Qマルチ側の動作点をいじるのはドレイン電圧可変は実用的でない。これはFETの静特性図を眺めればすぐに判る(勿論、可能な石もあるかも知れない)。デュアルゲートFETを使って第2ゲート電圧を調整するのがもっとも無難だろう。帰還回路を構成するCの値は再検討を要する。

検波回路は何もすることが無い。帰還制御と関係なく動作点を選べるから、出力と歪との兼ね合いで一番いいところを探すことになる...


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  • 2015.11.19 Thursday
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  • 02:59
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コメント
御礼申し上げます.
先日,お知らせの書籍を埼玉の古本店より格安で入手し,早速,回路考察しています.米国での考案回路と思い,Googleでscanするのですが,類似の報告文書が見つかりません.しかし,最近のUHF通信回路に内蔵している事例を見つけ,勉強しています.情報のご提供をいただき,大変御世話になりました.拝
  • n8eyh
  • 2012/11/15 9:56 AM
ご回答ありがとうございます.
書籍名のお知らせ,承知いたしました.
まずは,御礼まで,
  • n8eyh
  • 2012/11/06 6:45 PM
拝復 まず当ブログにコメントいただきましたこと御礼申し上げます。

記事中にある、私が参考にした単行本というのは次の通りです。

アマチュア無線アイデア百科 誠文堂新光社

本記事の実験は文中にもあるように私が高校生の頃、即ち今から四半世紀も前の出来事であり、その後の転居のため現物及び資料も散逸してしまい、ここに再現することができません。ご期待に沿えず、お詫び申し上げます。
  • phous
  • 2012/10/25 9:23 PM
拝啓 遅ればせながら,本字,Qマルチの発言ブログを発見しました.とても興味深く拝読させていただき,心より感謝を申し上げます.
phousさんが実験された事柄をご教示いただきたく,お願い申し上げます.
私は,最近,Qマルチの動作に興味を持ち始めました,前期高齢者です.
宜しくお願い申し上げます.
  • n8eyh
  • 2012/10/25 8:40 PM
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