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  • 2018.02.25 Sunday
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久しぶりにラジオを作る

注意
本記事に記載してあることを参考にして追試やコピー製作を行うのは自由ですが、その結果生じるあらゆることがらについて本記事の作者(Sakai, Satoru)は一切責任を負いません。


CADはアンインストールして久しいwineとBSch3Vを再度sfsで導入しています。
負荷抵抗の値を書き忘れました。2.2k です。セット全体としては検波段の後、エレキットのアンプ(PS-3238, NJM2073DによるBTL)を接続しています。

セット概観 紛らわしいですが周波数が刻んであるダイヤルの方が、再生調整です。


数年前に部品を集めたまま計画放棄となっていたラジオを、何を思ったか突如形にしてみました。

形式はありふれた再生検波回路です。同調にはかつて市販されていた、劣化版の並四コイル(ボビンがボール紙)に、これまた中国製(設計は国内メーカーらしいが)のエアバリコンを使います。

トランジスタにはGaAs MESFET の SGM2006M(SONY)を使っています。

トランジスタや真空管を使った検波回路はグリッド検波とプレート検波に大別されます。前者は真空管やトランジスタの整流作用を用いて直線検波を目指すものです。後者は動作点における非直線部分(例えばFET のID-VGSグラフの立ち上がり付近)を用いて2乗検波させるものです。

プレート検波は原理的に高感度であり、また同調回路に対して高インピーダンスに構成できるため同調回路のQを活かせるので分離の点でも有利です。反面、低歪で復調できる最適動作範囲が狭いので扱いうる信号範囲が限られます。

一方、グリッド検波は大信号入力に対して強く(というより、ある程度の入力レベルがないと厳しい)プレート検波に比べれば検波歪みを然程考慮せずに動作点を選べるので結果的に検波出力を稼ぐことが可能です。

これらの特徴から入力信号の小さい短波放送を聴く場合はプレート検波、大電力局の揃っている国内中波を聴くならグリッド検波が適している、と言えなくもありません。
なお、プレート検波回路であっても大信号入力時はグリッド検波に移行します。グリッド検波になりえないデバイス(MOSFET等)を使っている場合は盛大に歪みます。


いずれも、再生回路を併用することで少ない球数で実用的なラジオを構成できることから、真空管時代には広く使われました。

ところがバイポーラトランジスタでは、元々入力インピーダンスの低い素子であり同調回路とのマッチングの(受信バンド全域での)最適化が難しいことから、ストレート方式のラジオにはほとんど使われることがありません。

ではFETはどうか、というとJFETではかなりの報告例がありました。グリッド検波で動作させるのはなかなか難しいので、プレート検波回路としてリモートカットオフな石を選び(註1)動作点に注意を払うことで実用的なラジオを構成することが可能です。短波帯では前述のように扱う信号範囲が狭いのと、どのみちプリセレクタやアッテネータの世話になるので、むしろ設計や運用は容易だったりします。

MOSFETでは余り例を見なかったような気がします。原理はJFETと同様ですがグリッド検波は構成しにくいはずです。但しゲート保護ダイオードを内蔵している石の場合、このダイオードがどう効いてくるかがよく分からないところがありました。過去に何度か実験したのですが、何故かJFETのほうが音が良いこともあって追求するのを止めてしまいました。

今回採用したSGM2006Mは本来UHF帯用のGaAs MESFETです。この、MES、である点が最大のポイントです。この部分を使って真のグリッド検波を実現できないか、という訳です。

で、実験した結果はですね。

1)検波段にセラミックイヤホン直結ではAFNとTBSしか聞こえない。
話が前後しますが私の住んでいる和光市の場合、一番強力なのがTBS、次にAFNになります。これは先日実家から引き上げてきた再生式ラジオ(2SK125使用)で確認しています。なお、一般的なスーパーヘテロダインではAGCが掛かるので差が分かりにくいです。この2局については電界強度の強弱もさることながら、周波数的にバリコンのQが稼げるところにあるというのが大きいような気もします。

並四コイルを使っているのでアンテナ線を要します。部屋住みの身としては、水平部20m高級逆Lアンテナなんぞ張れるはずもなく、部屋の天井近くに這わせた数メートルのビニール線です。アースは冷蔵庫用の保安アースを使っています。繋ぐとするとノイズが消えますから効いていると思います。
以前、スパイダーコイルを使ったダイオード検波回路でもNHK第1は聞こえました。ダイオードに負けるFET検波、いかんぞこれは。

2)TBSなら電源を投入しなくても聞こえる。
FETがダイオードとして動作している証拠ですね。また、このことからNHKは勿論、AFN(和光市に送信所があるスーパーローカル局、ビームは反対向いてますが)ですら聞こえない低感度回路、ということが分かります。セラミックイヤホンが劣化している可能性もありますが。

AFアンプ(エレキットPS-3238)を接続したところとりあえずNHK第1、第2、文化放送まで受信できました。全体の構成はひとまずこれで確定として、検波回路の動作点を弄って実験してみました。まともな測定器が何一つないので、耳だけが頼りです(註2)。

ソースにある半固定抵抗(VR2)を調整してバイアスを浅くしIDを増やすとAFNやTBSは音が大きくなり音質も改善されますが、NHK等は音が小さくなりました。グリッド検波の特徴がよく現れていると思います。
反対にバイアスを深くするとNHKは聴きとりやすくなります。小信号に対するプレート検波の有利さが発揮されています。

ということで復調音の歪みが少ないぎりぎりのところ(註3)に設定しました。また、組み立てが悪くて浮遊容量がかさんだらしく、バリコンの羽が随分抜けたところでようやくNHK第1を受信したので、少しでも容量を減らすべく同調回路とゲートを繋ぐコンデンサを思いきって小さくしてあります。最初は100pでした。音が小さくなるか、と思ったのですが聴いた感じでは差はほとんど感じられませんでした。これでとりあえずセットとして纏まるかと一息ついたのもつかの間。

TBSが通り抜けするのですよ。

NHKは比較的離れているので何とか分離できますが、文化放送はかなり厳しい。この局は私のロケーションでは深夜になるとフェージングも感じられるくらいなのでなおさら。再生を目一杯かけてどうにかなる程度。油断すると発振してしまいます。発振器はラジオになりえません。

うーむ、なかなか思うようにいかんなあ。解決策として構成を高1ラジオに変更して分離を稼ぐか、新しいデバイスを探すか。

ネタが増えただけで終わりそうな予感。


(註1)例えば2SK61等。もっともFETは大抵リモートカットオフだけど。動作が特性曲線の傾き範囲に依存する場合、同じIDSSランクであっても動作しないことがあった。

(註2)動作各々の電流を控えるのを忘れてしまいましたが、検波段だけで2mAくらいからです。これより増えることはないはずです。セット全体としてはまともな音量で聴いた場合、3Vで20mAくらい消費しました。

(註3)今回、検波器の負荷についての検討は見送りました。これはこれで結構大変なので。今はシュミレータが使えるからやろうと思えばいつでも、と思った次の瞬間、SGM2006Mのspiceモデルってどこよ、と気づいた次第。

付記
SGM2006Mの静特性を眺めると分かるのですが、VDSが2V未満の場合、VDSに応じてIDは大きく動きます。電源3VでVG1Sが-1Vとかだとまさにこの状態になり、結果としてこのままでは減電圧特性が大変よろしくない回路になっております。これはバッテリー運用とする場合致命的といえるでしょう。
追試される場合は念のためご留意ください。


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